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B O R N  w i t h  t h e  F O R T I T U D E
 

~「ポテト」という 陽気な名前に秘めた不屈の精神   ~




 



ポテトめガネは1987年3月、二人の男の売り歩きによって始まりました。

   

二人は兄弟でした。

     

それまで勤めていた眼鏡店を退職し、二人でゼロから眼鏡屋を始めました。

   

当時まだ26歳と19歳でした。

なけなしのお金をかき集め、なんとか仕入れることのできたほんの少しのメガネをバッグに詰めて売り歩きました。

   雨の日も風の日も毎日休むことなく売り歩きました。

そんな二人の唯一の楽しみは兄のお嫁さんが作ってくれるお弁当でした。

そんなささやかな楽しみと、大きな夢と、協力してくれる人達のお陰で二人は頑張ることができました。

少しずつ、本当に少しずつ軌道に乗ってきた頃、同業者による様々な妨害や嫌がらせが始まりました。

小さな町だから仕方がないのかもしれません、だから最初は負けてたまるかといつも以上に頑張りました。

でも妨害はどんどんエスカレートしていきます。

二人だけならまだしも、家族にも被害が及び始めました。

ついに兄のお嫁さんはその妨害や嫌がらせのせいで心の病気になってしまいました。

二人とも大好きだったお嫁さん、その大好きなお嫁さんが作ってくれる唯一の楽しみだったお弁当もなくなり、

どんどん気持ちも暗くなっていきます。

それでも二人は生きるためにメガネを売り歩きました。

 

しかし行く先々で冷たい対応、妨害の魔の手は二人の思っていた以上に広がっており、ひどく陰湿でした。

「これからどうすればいいんだ。。。」

二人は不安に押し潰されそうでした。

そんなある日、昔からお世話になっていたお客様のところに二人は出向きました。

でも二人は「そのお客様ですら自分たちに対する目の色が変わっていたらどうしよう。。。」という不安で一杯でした。

ところが、お客様の対応はいつも通り暖かいものでした。

二人が戸惑っていることに気がついたのか、お客様はこんなことを言われました。

「僕も君達の噂は聞いているよ。だけど僕は君達を知っているからそんな噂は信じない。」

 

「。。。」

 

「君達、こんなことで諦めるのかい?」

「。。。」

「いいかい、人が何か始めようとする時、神様はその人に色々な試練を与えるんだ。

その人がその事に対してどれだけの思いがあるのかを試してるんだ。

ここで諦めて辞めてしまうんだったら、君達のメガネに対する思いはそこまでということなんだよ。」

「いや!そんなことは。。。」

 

「まだ頑張りたいんだったら、僕が今から言う所に行ってみなさい。

もう辞めたいんだったら、悪い事は言わない、きっぱり辞めてしまった方がいい。」

二人は悩みました。

お客様に教えて頂いた場所にすぐにでも行きたかったけど、恐かったんです。

そこがダメだったら、もう後がないようで。

でもこのままここで止まっていても何もかわりません。

二人の頭には色々な人達の顔が浮かびました。協力してくれている人達、大好きなお嫁さん、

 

 

そして大きな夢も。

二人はその場所に向かいました。。。

   

 

そこには沢山の人達がいました。

どうやらこれから始まる宴会の準備をしているらしく、みな方々で慌ただしく忙しそうにしていました。

お客様が教えてくださった方を尋ねると、その方は近所の旅館の女将さんでした。

ちょうどメガネが壊れていたらしく修理をするととても喜んでくれました。

女将さんはちょっと待っててと言うと

宴会の準備をしていた人達を集めてメガネの修理が必要な人を募ってくれました。

まず、皆一様に二人の若さに驚きました。

兄はともかく弟は19歳、スーツを着ていてもまだまだあどけなさが残ります。

年齢を聞かれて答えると、驚きの声が上がりました。

弟と同年の大学生のお子さんがいらっしゃる女性もいました。

年配の女性たちは「あなた達のようにしっかりした息子さんがいるとお母さんは安心でいいわね。」

と言ってくださいました。

「有難うございます。でも母はずいぶんと前に他界してしまったんです。弟がまだ13歳の時でした。」

と兄が言うと皆一瞬にして表情が変わりました。

「お母さん、無念だったでしょうね。」と誰かが言いました。

兄はしまったと思いました。なんだか同情して欲しくて言ったみたいになってしまったからです。

中には泣いてくださる方もいらっしゃいました。

でも泣き顔とも笑顔ともつかない優しい表情に囲まれていると、二人はとっても暖かい気持ちになりました。

そして、こんなに暖かい気持ちになったのはいつぶりだろうと思いました。

皆自分の息子からメガネを買うような気持ちでメガネを新調してくれました。

二人もその気持ちに答えるように自分の親にメガネを作るように「親身」になって検眼や調整を行いました。

そして「自分たちはまだ頑張れる!」と二人は強く思いました。

ただメガネが売れたからではなく、人の温かさに触れることができたから二人は心からそう思えたのです。

人に苦しめられた二人を救ったのは人でした。

この感謝の気持ちは今でも二人の心に深く深く刻まれています。

そして、その感謝の気持ちは会社の理念として受け継がれています。

これがポテトめガネの始まりです。

潰されても潰されても美味しい料理になるジャガイモ。

見た目よりも味で勝負です。